三重大学教育学部美術科鋳造研究室

教室紹介をします  
 

4年生の「ガンコ3姉妹」です
 金属工芸の成立要件を理解するとともに、鋳金制作を通して現代生活や、造形に生かされる金属のあり方について研究しております。具体的には、器物、オブジェ、アクセサリー類、レリーフ等を制作し、毎年作品発表を実施します。
また、低融点金属を製造し、小・中・高校での授業実践について、理論的研究と卒業生による実践考察を行ったり、また、最近、趣味の領域としても注目を集めている、銀粘土の焼結による造形について、銀インゴットを微粉末にし、粘土化する方法を独自に開発したり、チタンを用いる造形のために、直流電流で陽極酸化の実践的試行に取り組んでいます。そのため、200Vを出す整流器を自分で組み立てたり、化学薬品の反応装置を考え出したりもしています。

    ・          
教室の環境は、ほとんどが砂の土間でできています。そこで金属を溶かすためのコークスや重油、天然ガスをはじめとし、灯油や薪、木炭や藁など原子力以外のエネルギーをほとんど使い、燃料の性質によって金属の表面処理が微妙に異なる現象についても考察をしております。
ただ、二酸化炭素排出に関する懸念もありますので、冬の暖房は無くし、夏の室温は40度を越しますが冷房は無く、使うエネルギーとの均衡を保つよう心がけております。
室内は絶えず砂埃や金属粉が舞い上がり、携帯電話やラジカセもすぐに壊れますが、金工に限らず、こんな中から大多数の美術品が生まれてくるのが事実です。

   ・           
工業的な鋳物の世界は、ほとんどが男性の職場ですが、なぜかこの教室では昔から女性が多く、毎日がとてもにぎやかです。過酷な重労働にも耐え、大学でしかやれないことをやってみようという意識で勉強しているようです。
中国の古代青銅器や日本の銅鐸がそうであるように、銅合金はたとえ火災にあっても、地下に埋もれても、何千年もその姿を変えません。ですから、今我々が創るものが、数千年後の人々に夢を与えられたら、という気持ちを込めて制作に取り組んでいます。

     ・           
ところで、教室の庭にはもう20年も前からチャボを飼育しています。これは、学生のスケッチ用モデルとして利用するからです。ところがこの鳥の繁殖率は高く、卵を取り忘れていると、どんどん増えてきます。近くの小学校などに引き取ってもらっていますが、限界があります。希望される方には喜んで差し上げます。

卒業生/在校生の一口紹介  
 

ほたるを見ながらお酒を飲みます
N嶋君は暴飲暴食の元気な子。作品は付属図書館に納められています。北海道の哲学を極めていますが、友人からは熊のDNAが体内に宿っていると言われています。
S柳君は飲むと二日酔いでした。しかし東京芸術大学大学院であそこの酒に耐え、高い評価を得ました。静岡県の高校美術の中枢になってしまいました。
K端君と一晩で2升飲みました。彼は乱れません。造形センスも抜群で、技法も確かです。
S上君は器用人。彼に精密鋳造装置は不要です。最近お酒も強くなったそうです。
草君は失敗作完成のために研究生にまでなった根性の人です。彼の制作記録を授業のために使わせてもらっています。
I藤さんは本格派。3分割の鋳型も得意です。二児のお母さん。
T田さんは、おしゃべり、世話好き子供好き。もうすぐ教頭先生。
O山さんは書もうまく、蝋レリーフの元祖です。弁護士秘書で、二人の娘さんもすくすく。
U田さんは学芸員。「美術手帖」「芸術新潮」にも載りました。アメリカの現代アートにも詳しいです。
T井さんは、よくもて、よくやけどをし、よく笑いました。JAL在職中に航空券をくれました。
M井君はすごすぎて書き尽くせません。マムシを食べるからです。九州の人です。すごいです。
O関君は頭脳派で何でもできます。インドネシアで教員中。現地で工芸教育を行っています。
S木さんは梯子酒大丈夫。2年の時から大作に挑戦しました。県警で、似顔絵指導もしています。
T木君はビール腹。O君が土間に掘った落とし穴によく落ちました。養護教育のキャリアもあります。
K川君は夜中に近鉄の線路をよく歩きました。酔っぱらった後輩を送っていって、電車がなくなるのでした。
M田さんは天理展大賞。・・万円でした。今では絵をかいて、個展をするほどの作家です。
S藤君は体に似合わず細やかです。バレーボールの県代表。整体術も心得ています。
W辺君は挫折しません。今に校長先生。後輩の信望も厚く、いまだに教室で語り継がれています。
I葉君は柔道、サッカー、スキー何でもできます。いいお嫁さんもいます。
N井さんの笑い酒。頭も体も柔軟です。
I藤さんは歌が抜群。彼女の結婚式で「いい日旅立ち」を聴き、皆が泣きました。
M川さんは天才的工芸家。10点満点以外取ったことがありません。輸出用陶磁器のデザイナーです。
F越君は大きいものが得意です。世界各地を歩きました。
I川さんはジャズのできる学芸員として新聞に載りました。
N川君の卒業制作は・・万円で売れました。教室に5万円寄付してくれました。手話のできる美術教師です。
Y井さんは入試の時から先輩の補助学生にもてました。今は女子大の先生で、テキスタイルデザインをやっています。
H川君は車を橋にぶつけ、私はむち打ち、車は五角形。芸大大学院中にも自転車で骨折。しかしすぐに蘇る得意技があります。芸大の先生として活躍中。
W辺さんは怪力。腕相撲で男性を負かします。コピーライターとして独立しています。
F橋さんは「エロリアル」(W説)。花嫁姿はとても奇麗でした。行政書士です。
N村さんは救急車に乗りました。鋳物の仕事はこれほどまでに過酷です。ジュエリー関係。
Wき君はアンモニアの威力を確かめるため、どこかに何かをかけ続けました。その甲斐あって芸大大学院へ行けました。お経も読めます。
N井さんは白日夢が好きとのことです。郵政省。
K戸さんは車が大破しても無傷のスタントマン。鋳造作業で鍛えたからです。子育て真っ最中。
Hらさんの寮に、屋上からロープを伝ってきた蜘蛛男。彼女は負けません。一升瓶で撃退。去年子宝に恵まれました。
F井さんは作品緻密。飛騨の寒さに耐えています。今世紀中は結婚しないそうです。が、新世紀に備えて、花婿さんは探しておきたいそうですので、どなたかどうぞ・・・・
T畑さんは面接で落語一発、某水族館。学芸員ぶりは新聞にも載りました。
O田さんは理論家です。鋳物小辞典を作りました。
T永君は火山灰鋳型の研究。普賢岳近くの出身。某県刑事。
K井君は1年間カナダを歩きました。今では専務。
M脇君は何でもできます。勉強もギャンブルも真剣です。ハーレー店の店長です。
K井さんは蝋型職人。その気質は某キャンドルメーカーで開花中。
M元さんはあらぬ疑いで検査入院させられました。ただいま新婚中。薩摩の人です。
I田さんは朝風呂がないと一日が始まりません。インテリアの仕事です。
Lさんは4カ国語大丈夫。ドイツ留学中。いずれ現地で鋳金活動を開始するそうです。
S井さんは「旬な人」。新聞にも載りましたし、作品は市のポスターにも使われました。
N川君は自由人でバイク乗り。作品で賞金も稼ぎます。そして後輩にいろいろ奢ります。作家候補生。
I藤君はゲーセンでわたしをコーチしてくれました。同級生ばかりでなく、後輩からも頼りにされています。
M屋さんは作品も論文もいけます。名古屋のある女子大の先生として活躍中です。
H田さんは食べ物を見るとニコリとします。顔から太ることは本人も承知の上です。心身インストラクター。
N武さんは作品で・万円の収入がありました。九州のある県立美術館にいます。
O沢さんは、残念ながら交通事故に遭い永眠しました。作品は、津市市役所に所蔵されています。合掌。
Y野さんは、勉強家で、おしゃれで、スタミナ満点で、モテモテで、安心な人です。新婚ほやほやです。
E口君は、後輩の女性に人気がありました。今は、お巡りさんですが、たぶん婦警さんにモテモテでしょう。
T清さんは石山寺の、今紫式部。保育に情熱を傾けています。

在校生です

N部さんは、古典・歌舞伎に詳しく、将来が楽しみ。
T口さんは、正確、緻密、濃密。「ドマワラシ」として住んでもらうため、天井に寝床を計画中。
Y本さんは、迫力、気力、腕力満点。パソコンもバリバリ。お煎餅パリパリ。
K本さんは、努力家、楽天家、「言論の自由派」。仮免落ちてもくじけません。
K川さんの顔は三日月で構成されています。スタイルがうり。しっかりしています。
M野さんは、体力が自慢。足腰強固。渦文を使って似顔絵が描けます。
S治君はおばさんにもてます。唯一の男子学生。

 

当教室に限らず、三重大学美術科では、多種多彩な人材をそろえ、各方面からの求人をお待ちしております。

仕事歌  
 
 制作の内容に応じた「仕事歌」を作りました。
専門用語が入っていますが、できるだけ元歌の歌詞を尊重して作ってあります。
仕事を知り尽くさなければできないわけですから、一曲作ったら、授業の試験を免除することにしています。(まだ一人もいませんけれど・・・)

・「課題」 (時代)
今はこんなに苦し(悲し)くて力(涙)も枯れ果てて
もう二度と笑顔にはなれそうもないけど
そんな課題(時代)もあったねと いつか話せる日が来るわ
あんな課題もあったねと きっと笑って話せるわ
だから今日はくよくよしないで 今日の風に吹かれましょう
回るまわるよ課題はまわる 憎しみ(喜び)苦(悲)しみ繰り返し 
今日も(は)わす(か)れた恋人たちを(も)誰か(生まれ)かわって 奪い(めぐり)あうよ
ふき(旅)を続ける人々は いつかお金(故郷)に出会う日を たとえ今夜は倒れても きっと信じて土間(ドア)を出る
たとえ今日ははてしなく冷たい批評(雨)が待(降)っていても
めぐる巡るよ課題は巡る つ(わ)かれと気(出)あいを繰り返し
※今日は倒れた土間(恋)人たちも 生まれかわってやる気(歩き)出すよ
回るまわるよ課題はまわる疲れと気合いを繰り返し※

「完成」(乾杯)・・・・作品展の歌
かたい鋳砂(絆)に思いを寄せて 語り尽くせぬ制作(青春)の日々 
時には傷つけ(き)時にはよろめき(喜び)
型(肩)をたたきわ(あ)ったあの日
あれからどれくらいたったのだろう
はめる共金(沈む夕日を)いくつ数えたろう
漏れだし地金(故郷の友)は今でも君の中子(心)の中にいますか
※完成(乾杯) 今君は商売(人生)の大きな大きな舞台に立ち 遙か長い道のりを歩き始めた 
君に買い手(幸せ)あれ
スポットライト(キャンドルライト)の中の二つ(ふたり)を今こうして目を細めてる 大きな札束(喜びと)か 小さな小切手(少しの寂しさ)を
涙の言葉で迎えたい(歌いたい)
明日の稼ぎ(光)を体に浴びて 振り返らずにそのまま行けばよい
金で売られても(風に吹かれても)飽きて振られても
(雨にうたれても) 
信じた作者(愛)に背を向けるな ※

「やけくそ」
全然 無視無視 型こわし
地金の頭はどこにある
つつき出せ 掘り出せ
中子出せ

@「素焼き」
あなたはもう忘れたかしら
赤い手ぬぐいマスクにして
二人でやった夜中の素焼き
一緒にあおろうねって言ったのに
いつも私が任された
洗い髪に藁灰つもり 
小さな木炭パチパチ鳴った
あなたは私の体を抱いて
汚いねって言ったのよ
若かったあのころ何も怖くなかった
ただ作品が溶けるのが怖かった
A「漆焼き付け」
あなたはもう捨てたのかしら
24色の漆を買って
あなたが着けた私の花入
うまくやってねって言ったのに
いつもちいとも着かないの
窓の下には志登茂川(津市を流れています)
三畳一間の小さな下宿
あなたは私の指先見つめ
かゆいかいって聞いたのよ
若かったあのころ
何も怖くなかった
ただ漆にかぶれるのが怖かった

「よしえちゃん」
鹿児島発の夜行列車乗り継ぎ降りたら
江戸橋駅は風の中
北へ歩く人の群は誰も無口で
風なりだけを聞いていた
私も一人 古自転車に乗り
凍えそうな雀見つめ泣いていました
※ああ 志登茂海峡 冬景色
ごらんあれが三重大学
期待はずれと(北のはずれと)
見知らぬ人が指を指す
息で曇る眼鏡のガラス吹いてみたけど
はるかに飲み屋 見えるだけ
酒ならあなた 私は燗より升
(さよならあなた私は帰ります)
風の音が胸を揺する飲めとばかりに※

ついでに「とびながくん」
長崎発の夜行列車降りたときから
江戸橋駅で胸騒ぎ
「店」へ向かう人の群は誰も無口で
「玉鳴り」だけを聞いていた
私も一人 開放台をとり
こぼれそうな出玉見つめしびれていました
ああ MIEセンター 富裕景色

さらに「かなえちゃん」
宮崎発の夜行列車降りたときから
江戸橋駅でナンパされ
店へ向かう人の群は誰も無口で
「曲鳴り」だけを聞いていた
私は二人 エイトビートにのり
転げそうなミラーボール見つめ浮かれていました
ああ ディスコチックだ 浮遊景色

@「朧 銀」
あなたに女の子の一番大切なものをあげるわ
小さなロッカーの奥にしまった大切なものをあげるわ
ゴマする人に捧げるため 守ってきたのよ
汚れてもいいい なめてもいい
銀は尊いわ
誰でも一度だけ経験するのよ
誘惑の甘い色
A「金箔貼り」
あなたに女の子の一番大切なものをあげるわ
きれいな黄金色に輝く大切なものをあげるわ
ゴマする人が喜ぶなら
それで幸せよ
破れてもいい 捨ててもいい
金は尊いわ
誰でも一度だけ経験するのよ
誘惑の甘い色

「象嵌」
ぞうがん ぞうがん
共金ながいのね
そうよ ひけ割れも長いのよ

他に15曲ほどありますが、いずれ更新の時公開します。

火を創り出すのが私たちの仕事です。
 




トップページへ戻る次へ