2003年9月に行った、南アルプス東部・御座石鉱泉~鳳凰三山~夜叉神峠でのトレッキングの記録です。
本ページ中のアイコンは、動画へのリンクです。"Nancy"という形式で記録されており、再生には、OFFICE NOA社の"Nancy player"が必要です。詳しいインストール方法は、こちらのPDFファイル(227KB)をご覧下さい。
いまのところ、Nancy Playerには、Windows 版(Windows 98 Second Edition, Me, 2000SP1, XP)しか存在しないようですので、Windows以外をお使いの方には動画をご覧頂けないこととなってしまいますが、なにとぞご容赦ください。
鳳凰三山の玄関口である御座石鉱泉・青木鉱泉へは、時期と曜日限定だがJR韮崎(にらさき)駅から早朝にバスが出る。(山梨中央交通のトップページ兼時刻表ページ。別ウィンドウ)
運賃は高めだが、劇的に便利なので背に腹は替えられぬ。
で、朝から韮崎駅のバスターミナルで待つが、出発時刻を過ぎても、いっこうに来る気配がない。実は、韮崎駅前にある大きなバスターミナルからではなく、駅裏手の、専用のバス停(1分32秒/3.21MB/Nancy形式)からひっそり旅立つようになっていた。
韮崎駅の張り紙では、この点にまったく触れられておらず、あんまりである。次の便まで3時間以上あるのだ。
3時間ロスはつらいので、断腸の思いでタクシーに乗った。御座石鉱泉まで5980円であった。3人位集まれば、タクシーも充分コストに見合うだろう。
タクシー40分で御座石鉱泉だ。駐車場は、車で埋め尽くされていた。脇の小川で飲料水がくめる。
秘境の温泉宿で登山届を書き(従業員さんが「登山届書いてきやー」と声をかけてくる)、整備の行き届いた登山道にとりつく。サクサク登れて、鳳凰小屋まで2時間30分だった。
はじめは曇り空だったが、標高2000mあたりで雲自体を突き抜け、秋晴れの南アルプスがバッチリ拝める。携帯でパシャパシャ撮りまくる。今回は携帯カメラ(SHARP の SH505i)のみだ。
登山者は多く、5分に一回程度、他パーティとすれ違ったり追い抜いたり。鳳凰小屋のご主人の話では、秋の週末は、満員で泊まれない小屋もあるとの事(例えば薬師岳小屋)。一つ遠くの小屋まで歩く元気(行動食)を残しておきましょう。
森林限界を超えると日射しが急に強まり、息遣いも荒く(2分25秒/7.89MB/Nancy形式)なってしまう。鳳凰小屋から急坂30分で稜線で、あとは、鳳凰三山をなだらかに繋ぐ尾根道を歩くだけだ。
鳳凰三山は、その名の通り3つの山から成り、北から順に地蔵岳(2764m)、観音岳(2840m)、薬師岳(2780m)という。
鳳凰と呼ばれる由来には下記の2説があるそうだが、いかんせん聞いたそばから忘れてしまうネタだ。トリビアには取り上げられないだろう。
ていうかどっちも鳥関係ないやん。
地蔵岳の肩は、白い砂場になっており、今日は快晴だったので尚更輝いて見える。周囲には雲海が淀む(1分27秒/2.24MB/Nancy形式)。
「賽ノ河原」というありふれた地名で呼ばれており、一体日本中に何カ所作れば気が済むのだろうと思い、Mapion でちょっと数えてみた。
賽の河原 | 3箇所 |
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賽ノ河原 | 6箇所 |
意外と少なかった。ごめん。
しかし賽ノ河原(三途の川の河原)と言えば、死んだ子供が親の供養の為にひたすら石を積み上げる場所であるが、今日のようなポカポカ陽気に訪れると、とても俊雄くんがたたずんでいるように見えない。晴れてて良かった。
地蔵岳で既に森林限界を超えているが、紅葉は道ばたのいたるところで拝める。日射しに映えている。
携帯だと、被写体にかなり近づかないとアップで撮れないので、たまに、投身自殺のような態勢で崖から身を乗り出さねばならない。
夜は、南御室小屋(みなみおむろごや。水場と炊事場つき)に泊まる。
ひさびさに、テントでなく小屋泊まりとした。素泊まりは、3600円/泊である。ただし、布団をつけると4700円/泊となるので、シュラフカバーだけで耐えた。寒かった…
寒かったのは、夜半に一雨来たのが原因で、朝方は、変哲無い杉林も露化粧してキレイなもんであった。
小屋から20分くらいの所に「苺平」という、いかにも景勝地っぽい地名があるが、ただのうっそうとした杉林(0分48秒/1.13MB/Nancy形式)で、ブレアウィッチプロジェクトのような雰囲気であった。
南御室小屋(みなみおむろごや)から1時間で杖立峠。更に1時間で夜叉神の森に着く。登山道は非常によく整備されている。
分かりにくい箇所は、夜叉神峠小屋から下る所だろう。地図上では、小屋のところに十字路があるように書いてあるが、実際は、小屋から30秒くらい西に下った所がT字路(0分12秒/734KB/Nancy形式/麓側から撮った映像)になっていて、そこを左折する。30分で夜叉神の森だ。
本来であればここからバスで甲府まで帰れるはずだが、今年(2003年)は、南アルプス林道が崩落してしまった影響で、広河原方面へのバス便がすべて運休となっている。
したがって、道路を更に2時間歩き、芦安村の役場まで行かねばならない。けっこう面倒くさい。
先を急ぐあまり、道路のヘアピンカーブから延びる「旧道」と看板の出てるショートカットを試みたら、激ヤブ(0分46秒/2.42MB/Nancy形式)の上、キジ(新品)が撃ちまくられていて、朝の爽やか気分がかなり滅入ってしまう。絶対通らないほうがいい。
最後は市営の施設「ヘルシーハウス・山渓園」にて入浴する。午前10時 OPEN・水曜定休だ。
着いたのが9:40くらいだったが、従業員さんが「もう入って大丈夫やでー」と早めに開けてくださった。タオルつき750円。石鹸は備え付けのが無料で使えた。
山渓園の正面の道路から、甲府駅までバスが出ている(山梨交通のページから探せるはず)。2時間に1本くらいの割。運賃は960円。山梨交通のバスは、プリペイドカードが「Suica」のようなICカードになっていてかっこいい。スムーズな降車処理が可能だ。
甲府は、JR中央線の特急で、新宿から2時間強、運賃+特急自由席で3,310円だ。急がないなら高速バスのほうが、本数も多く、運賃も1,950円と安い。名古屋からのバス便もある。
甲府駅周辺は、ヤンキーや族が多くてあんまりステビバ(駅前で野宿)には向かない。シングル1泊3000円くらいからビジネスホテルがいっぱい建っているので、前日泊はこれらで妥協したほうがいい。タウンページで探そう。駅前に吉野家があるので飯には困らない。
下山後に打ち上げしたい場合、甲府駅北口の正面に「つぼ八」とカラオケボックスがある他、南口の南東方向に繁華街がある。ただし、AM2:00にはだいたい閉まってしまう。名物は「ほうとう」という味噌煮込みうどんのような鍋物で、これがとんでもなくうまい。居酒屋で作ってくれる所が多いので、飯と酒を同時にたしなむのに便利だ。
コインロッカーは、甲府駅の改札口脇に300個くらいあるが、でかいザックを入れられるやつは少ない。死守しないと荒らされるだろう。
韮崎駅には、パン屋が併設されている。ここはAM6:45位にOPENする。チョコチップメロンパンがうまかった。