株式会社 Office Noa が規定した動画フォーマット"Nancy"から、AVI ファイルを作成する方法を説明します。率直に言うと、VMWare 上で Nancy 動画を再生し、それをキャプチャするだけの力業です。
(2010年1月14日) いま気づいたのですが、Nancy の開発元である Office NOA のページ、アクセス不能になっていますね…。どうしよう。
(2004年2月11日・全面改訂!!) すこぶる簡単な方法を発見! キャプチャソフトを使うのは相変わらずですが、単に、「画面のプロパティ」をいじくるだけで良くなりました。
Nancy Client for PC の画面が普通にキャプチャできないのは、DirectDraw の持つ、オーバーレイ機能を使って画面描画しているからです。
よって、こいつを無効にしてやれば良いのです。以下、その方法を説明いたします。
同社のページを読む限り、Nancy 形式の動画を編集(フォーマット変換もできないかなと淡く期待)するソフト「プロデューサー」が「準備中」とのことなので、できあがり次第、これを使えばもっとスマートに AVI が作れる… 筈ですが、当該ページは、数ヶ月待っても「準備中」のままで、一向にできる気配がありません。進捗状況や公開予定のスケジュールも発表されていません。もう待つ気も失せちゃった。
以下の製品を使用します。
スクリーンキャプチャソフト | 動画を記録できるものが必要です。ただし、動画の一部を静止画として切り出すだけなら、Alt + PrintScreen でも OK です。 私は、小紅の塒の劇場版 ディスプレイキャプチャー あれ ~圧縮された動画~を使用させていただきました。 便利なソフトを無料で公開されている作者の小紅様に、謹んで感謝致します。 |
---|---|
Nancy Client for PC インストーラ | Office Noa の Web ページからダウンロードできます。 |
パソコンに動画をコピーする機器 | SHARP の携帯は、mini-SD に動画を記録するようになってます。この mini-SD の差し込み口が、パソコン側に必要です。 mini-SD → 普通のSD の変換ソケットは、だいたい携帯にオマケで付いてくるので、あとは、パソコン用のSDカードスロットを買ってきましょう。例: IO Data US2-SDRW。電気屋さんに売ってます。 Vodafone の古い機種(まだ J-Phone だった頃の)には、動画をメールでしか外部に出せない物もあります。このような機種をお使いの場合、パソコンにメールで送りましょう。 |
Nancy Client for PC での動画再生 + 画面キャプチャを同時にこなさねばならないので、そこそこマシンスペックは必要です。
この方法を試すことができた一番弱いパソコンは、Windows 2000 + メモリ128MB + PentiumIII 500MHz でしたが、Norton Antivirus を OFF にして、何とかコマ落ちしなくなる、程度で記録ができました。最近のパソコンなら、だいたい問題ないでしょう。
ただし、ディスクは消費します。携帯電話 SH505i で撮れる最大サイズは 240×176 ピクセルですが、これを「無圧縮AVI」でキャプチャしたら、12fps×20秒で、50MB近いサイズになりました。150秒なら350MB程度です。
私は、携帯のメモリーに 64MB の mini-SD を使ってるのですが、海外登山に行った時、調子に乗ってこれ一杯に撮影し、全部 AVI に変換したら、ディスクが 2GB 以上埋まりました。
お好みのキャプチャソフトを、そのマニュアルに従いインストールします。
Office Noa の Web ページからダウンロードした Nancy Client for PC のインストーラーを、ダブルクリックし、インストールします。
動画が記録された mini-SD を、携帯電話から抜き取り、パソコンに挿入します(差し込み口は、各自ご用意下さい)。Nancy Client for PC が動く OS なら、自動的にそれを「リムーバブルディスク」として認識し、「マイコンピュータ」にドライブが一つ増えます。
ドライブ文字(G:
などの文字)は、パソコンの構成によってその都度変わるので気にしないで下さい。
SHARP の SH505i の場合、このドライブから、
SD_VIDEO\SH505I\SHN001\
を開き、中にある、拡張子が.noa
のファイルを、パソコンの適当なフォルダ(マイドキュメントなど)にコピーします。これが、携帯電話で録画した動画ファイルです。
拡張子が表示されていない場合、ピンク色のアイコンのファイルを、同様に扱って下さい。
Nancy Client for PC をはじめとするすべてのアプリケーションを、念のため終了させます。
画面の、アイコンやウィンドウが何も表示されていない部分(壁紙が見えている部分)を右クリックし、プロパティ(R)を選びます。
画面のプロパティが開きます。[設定]タブを開きます。
[詳細設定]または、[詳細]と書かれたボタンを押します。
このボタンの配置や、書かれている文字は、ご使用のパソコンの構成により異なります。(グラフィックドライバの種類毎に異なります)
見あたらない場合、お手数ですが、[画面のプロパティ]の中から、他に、それっぽいボタンやタブがないか探してみて下さい。
[トラブルシューティング]タブを開きます。
タブの配置は、ご使用のパソコンの構成により異なります。(グラフィックドライバの種類毎に異なります)
見あたらない場合、お手数ですが、[画面のプロパティ]の中から、他に、下の画面っぽいタブがないか探してみて下さい。[ハードウェア アクセラレータ]とか、[ハードウェア 加速]と書かれたつまみがあるのがポイントです。
[ハードウェア アクセラレータ]のつまみは、最初、一番右端(最大)にセットされています。これを、一つずつ左へ移動させてください。
つまみの下の説明文が、その都度変化します。「DirectDraw のアクセラレータを無効にする」旨が表示されるまで、つまみを移動させてください。
この章で開いたすべてのパネルに対し、[OK]ボタンを押し、パネルを閉じて下さい。画面が一瞬真っ暗になる場合がありますが、2~3秒で復帰します。
復帰しなかったら知らない。
Nancy 動画を再生します。
この状態で、Nancy Client for PC のクライアント領域を、何の制限もなく自由にキャプチャできます。
ご利用のキャプチャソフトで、動画をキャプチャしてください。
画面設定の変更で変更したつまみを、一番右端(最大)に戻します。もともと一番右端でなかった方は、その位置に戻して下さい。
この章で開いたすべてのパネルに対し、[OK]ボタンを押し、パネルを閉じて下さい。画面が一瞬真っ暗になる場合がありますが、2~3秒で復帰します。
AVI として出力できれば、あとはもう思うがままです。
MotionSWF を使って、互換性では業界トップクラスの Flash に変換してみました。完全に Nancy への当てつけですね。
ちなみに、元々の Nancy 動画はこちら。(970KB)
Nancy client が Windows の画面描画 API に渡す値を、デバッガーで直接読み取れば、トリミングやタイミングの同期がだいぶ楽になるでしょう。
しかし、これは「リバースエンジニアリング」にあたる気がするので、怖くて試せません。
本来人間の労力を減らすはずのコンピュータが、こんな面倒で良いはずがありません。もっとスマートな解法をご存じの方、ご教授いただければ幸いでございます。その暁には、このページを喜んで改良または破棄させていただきます。